藤井総合法律事務所 > 不動産トラブル > 相続した空き家を放置するリスクとは

相続した空き家を放置するリスクとは

相続した実家に住む人がおらず、空き家のままになっているという相談は少なくありません。

手つかずで放置すると税負担が重くなり、近隣に生じた損害の賠償を求められることもあります。

今回は、空き家を放置したときのリスクと、期限が設けられた制度を説明します。

放置した空き家に生じる負担

空家等対策の推進に関する特別措置法は、管理の行き届かない空き家を管理不全空家と特定空家に分けて、段階的に行政が関与する仕組みを定めています。

管理不全空家として勧告を受けると固定資産税が上がる

2023年12月13日に施行された改正で、放置すれば特定空家になるおそれがある状態が管理不全空家と位置づけられました。

市区町村から勧告を受けると、課税標準を6分の1に軽減する住宅用地の特例が外れ、200平方メートル以下の部分も本来の価格で課税されます。

さらに、特定空家に該当したときは助言や指導だけでなく除去や修繕の命令を受けるケースもあります。

命令に従わなければ50万円以下の過料の対象となり、履行されなければ行政代執行で解体され、費用も所有者の負担です。

倒壊や落下で近隣に損害を与えた場合の責任

民法717条1項は、土地の工作物の設置や保存に欠陥があって他人に損害が生じたときは、まず占有者が賠償責任を負うと定めています。

占有者が必要な注意をしていた場合は、代わって所有者が責任を負う仕組みです。

所有者の責任は過失がなくても免れられず、屋根や外壁が飛んで隣家や通行人に被害が出れば相続した人へ請求が向かいます。

名義を変えないまま放置するリスク

登記を後回しにすると、義務違反の問題に加えて、処分そのものができない状態が続きます。

2024年4月1日から相続登記が義務化され、不動産の取得を知った日から3年以内に登記を申請しなければなりません。

正当な理由なく怠れば10万円以下の過料の対象となり、施行前の相続についても施行日から3年以内の申請が必要です。

名義が亡くなった方のままでは売却を進められず、相続人が増えるほど話し合いも難しくなるでしょう。

売却を考えるなら期限のある控除がある

相続した空き家を売る場合、譲渡所得から最高3000万円を控除できる特例が設けられています。

昭和56年5月31日以前の建築で、被相続人が1人で住んでいたことが要件となり、売却代金が1億円を超えると使えません。

家屋を残して売る場合は耐震基準に適合させる必要があり、取り壊して敷地だけを売る方法も認められています。

譲渡の期限は相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日までであり、制度自体の適用期限も2027年12月31日までです。

家屋や敷地を取得した相続人が3人以上のときは、控除額が2000万円に下がります。

まとめ

相続した空き家の放置は、固定資産税の軽減が外れるだけでなく、倒壊による賠償責任にもつながりかねません。

登記の義務も売却時の控除も期限があるため、住む予定がなければ早い段階で方針を決めるとよいでしょう。

相続した空き家の管理や売却でお悩みの方は、藤井総合法律事務所までお気軽にご相談ください。

よく検索されるキーワード

弁護士紹介

藤井 貴和

当ホームページをご覧いただきありがとうございます。 私は東京都内を中心に相続、不動産トラブルの法律問題に対応しています。
ご相談者様のお話を丁寧にお伺いし、状況にあった最善の解決策を提案できるよう心がけています。 法律問題の解決は、早めに相談することが最も大切なので、一人で悩まずお気軽にご相談ください。 どうぞよろしくお願いいたします。

所属団体
東京弁護士会
注力分野
相続、不動産トラブル
経歴

慶応義塾大学法学部卒

一橋大学法科大学院修了

2015年 弁護士登録

2020年 藤井総合法律事務所設立

事務所概要

事務所名
藤井総合法律事務所
所在地
〒160-0023 東京都新宿区西新宿6-10-1 日土地西新宿ビル8F
電話番号
03-5325-3012
FAX
03-5325-3042
営業時間
9:00~17:30(土・日・祝日除く)